礼節(マナー)が人をつくる
この映画の1番の決めゼリフだ。
かっこいい。だけど言わんとする全ての意味をまだ吸収しきれていない感じがする。
〜ネタバレしないようにあらすじの説明〜
エグジーという男の子が主人公の映画。
幼少期に自宅で母と一緒にいる時、父の同僚ハリーが訪ねてきて、父が仕事中に亡くなったと告げるところから物語が始まる。
父親はスパイだった。
夫を亡くした母はチンピラDV男に引っかかり、家庭環境は最悪。エグジーの居場所はなく、外ではチンピラ男の取り巻きに絡まれる。
ポテンシャルはあったものの勉強やスポーツに打ち込めず、平穏な暮らしが出来ないまま育った。
その後トラブルをきっかけにスパイの世界に足を踏み入れることになる。
👓🇬🇧🐕🌂👞
これまでこの映画がおもしろいと聞くことが多かったのだけれど、とにかくたくさん殺すとも言っており緊迫した内容だろうかといまいち観る気にならなかった。
実際観てみると、おしゃれでジャンクなスパイ映画だった。
英国のスマートさ、本場の皮肉、ウィットに富んだ粋な感じを浴びられる。
そして、確かにたくさん殺す❗️
だけど戦うときには軽快な音楽がかかってサラリとやっつけていく。その音楽もいちいちおしゃれで、死体をしつこく映さないからそんなにグロテスクではなかった。
スパイ映画ということで、007のネタがよくでてくる。
昔アマゾンプライムで解禁されていたときに観てあったのでネタがわかってうれしかった。
知らなくても楽しめるけど観てあったほうが楽しいかもしれない。
007はもっと泥臭くて生身の戦い率が高い(理系発明家Qの作るものとしてありえる程度のファンタジーしかない)し、場面によっては呼吸ができないほど緊迫している。それと比べるとこちらはドラえもんやコナンくんがよぎるくらいファンタジーでかなり気楽に観られた。
エグジーは(自分ではどうしようもなかったのだけど)育ちが悪くて貧乏。
多分万引きとかもしてたと思う。だけどいいとこの子と一緒にいても自分を凄く見せようとしなくて素直なのが良い。
何なら俺はどうせこんなもんだぜと自虐してみせる。切ない。
それは彼なりのイキり方だったのかもしれないけど、何にしても庶民的で親しみやすいキャラクターだなと思った。
絡まれる場面や小さい子供への接し方で本来この子がどんな性格なのかが描かれている。
育ちが悪いから紳士なスパイにはなれないと言うエグジーに対し、大人がかける言葉が良い。
甘くないけど良い方向に開いていくよう想っての言葉は親のようだった。
成長の妨げになる卑屈さを取り払ってあげようとするところにグッときた。
エグジーに対する接し方から、紳士な大人たちが若い頃はどんな風だったかを想像するのも面白い。
人としての品格とはというのがこの映画の本質だ。
エグジーに「あの映画は観た?あんな風に」と話の中で挙げたプリティウーマンもまさに描いていることは同じだった(どんなのか気になったので終わってから観た。辿って楽しめるネタがあるのは良い)
野良感の強い主人公がぎこちないながらもエレガントな振る舞いを習得しようとする姿勢は純粋で微笑ましかった。
学ぼうとする素直な姿勢があることが品格のタネなんだということが両方から得られて良かった。
マナーというと公共の場でのイメージが強かったけど、自分の中の礼節をわきまえようとする心だと考えるとようやく咀嚼できてきたかもしれない。
この映画を観て、月並みだけどもっといろんなこと吸収して、振る舞いや礼節、知らないことを身につけていきたいと思った。
窮屈な服は得意じゃないけどおしゃれな英国紳士を観ていると、自分も好んでかっちりしたくなる。
キングスマンの影響でやりたいことがいくつか増えたので書き出してみる。
・英国感を味わいたくなったので、たまに高島屋とかでやっているなんとか展でスコーンがあれば行ってみたい。クロテッドクリームとかジャムを付ける食べ方をしてみたい。これはすぐではなくてもok
・茶葉で淹れる紅茶が飲みたい。
トワイニングでいいのですぐ完了しそう。
・マティーニというお酒を飲んでみたい。
ウォッカマティーニでと注文する007タイプと、キングスマンのスタンダードなマティーニ、どんな味なのか比べて飲んでみたい。なんとなく007の方が飲みにくそう。
多分バーに行かないといけない。これはちょっとハードルが高い。
・キングスマンの監督が作った新しいスパイ映画「アーガイル」がちょうど今上映していることを知ったので観にいきたい。
このタイミングでキングスマンを選んで観たことがタイムリーで驚いた。
映画館で観られるうちに観ておきたい。
新しい楽しみもできていい感じだ。
良い教訓にも出会えた。
"礼節がひとをつくる"単純だけど座右の銘にして暮らそう。
素敵な人間になりたい。